電気とガスをまとめるデメリット|契約前の確認点
電気とガスを同じ会社にまとめるデメリットは、割引の条件が契約先ごとに違うこと、解約や乗り換えのときに条件が絡むこと、勧誘で急いで契約してしまいやすいことの三つです。
公的資料が繰り返し求めているのは、契約前に「料金設定」「違約金の有無」「セットプランの有無」を確かめることです。
ここでは、国民生活センターと消費者庁の資料から、まとめる前に見る点を順に整理します。
- 消費者庁などの資料は、切替え前に「料金設定」「違約金の有無」「セットプランの有無」の確認を求めている
- 訪問勧誘で「検針票を見せて」と言われても、契約の意思がなければ見せない
- 訪問販売に当たる契約は、適法な契約書面を受け取ってから 8 日以内ならクーリング・オフができる
- 市場連動型のように料金が動くプランでは、請求が大きく変わった相談がある
まとめるデメリットは三つに分けて考える
この章では、「電気とガスをまとめる」ことで生じる不利な点を、公的資料が指摘している範囲で分けて見ます。
先に言っておくと、まとめること自体を公的機関が止めているわけではありません。
電力とガスの自由化で、契約先も契約プランも自由に選べるようになりました。
そのうえで消費者庁・経済産業省電力・ガス取引監視等委員会・国民生活センターの資料は、切替えを検討するときの確認点を挙げています。
運営者はそれを、次の三つに整理しました。
| デメリットの種類 | 何が起きるか | 公的資料の根拠 |
|---|---|---|
| 条件が見えにくい | 料金設定、違約金、セットプランの内容を確かめずに申し込む | 消費者庁ほか「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう」(令和6年12月版) |
| 解約・乗り換えで動きにくい | 解約手数料がかかる契約や、プランごとに条件が違う契約がある | 国民生活センター(2024年3月公表)の相談事例 |
| 勧誘で急いでしまう | 「他の住人も契約した」などの説明で、その場で契約する | 国民生活センター(2024年3月公表) |
次の章から、1 つずつ見ていきます。
セット割の条件と解約時の扱いを先に確認する

この章では、まとめて契約するときに契約書や料金表のどこを見ればよいかを説明します。
消費者庁などの資料は、電力会社やガス会社の切替えについて「料金設定」や「違約金の有無」「セットプランの有無」などを確認のうえ慎重に行うよう案内しています。
同じ資料は、それぞれの料金メニューにメリット・デメリットがあり、生活スタイルに合うかどうかで選ぶことが重要だとも述べています。
セット割は、電気とガスの両方を同じ事業者と契約することが割引の前提になる仕組みです。
そのため、片方だけ別の会社に変えたいときや、引っ越しで片方の契約を終えるときに、割引が続くかどうかを事前に確かめる必要があります。
割引の対象になる条件や割引の額は事業者ごとに違うため、ここでは数値を挙げません。
契約先の料金表やマイページで、自分のプランの条件を読むのが確実です。
解約金についても、事業者の案内には違いがあります。
東京ガスは、解約手続きの案内で「東京ガスの電気を解約した場合、原則、解約金や違約金は発生しません。」と書いています(2026年11月に確認)。
一方、国民生活センターの相談事例には、勧誘時の説明と違う請求に驚いて解約しようとしたところ、解約手数料が1万円かかると分かったという声があります。
つまり、解約金の有無は事業者とプランで決まるもので、一律には言えません。
契約前の確認項目は、次の表のとおりです。
| 確認する点 | 見る場所 | 見る理由 |
|---|---|---|
| セット割の適用条件 | 料金表、申込画面 | 電気かガスの片方を終えたときに割引が続くかが分かる |
| 違約金・解約手数料の有無 | 契約書面、マイページ | 乗り換えや引っ越しのときの負担が決まる |
| 料金の決まり方 | 料金メニューの説明 | 市場連動型などは請求額が動く |
| 契約先の事業者名と連絡先 | 勧誘時の名刺、書面 | トラブル時の連絡先になる |
| 契約期間・キャンペーン条件 | 申込内容の控え | 期間内の解約で条件が変わることがある |
契約内容が分からないときは、契約先に直接問い合わせるのが最も確実です。
次は、まとめる提案が訪問で来たときのトラブルを見ます。
訪問勧誘と検針票のトラブルに気をつける
この章では、国民生活センターが公表した、電気・ガスの勧誘に関する相談事例を紹介します。
国民生活センターは2024年3月26日に、新生活を始めた若者を狙った訪問販売への注意を呼びかけました。
手口として挙げられているのは、「住民の皆さんにお願いしている」「他の住人も契約している」といった説明で、契約しなければいけないと思い込ませるものです。
相談事例の中には、「アパート全体の電気契約が変更になる」と言われて契約したが、実際はアパート全体で契約先を変更することはなく、電気料は倍近い5,000円程になったというものがあります。
この相談者は、解約しようとして解約手数料が1万円かかると知り、解約料なしで解約したいと相談しています。
都市ガスについても、「賃貸アパートの他の住人全員が契約した」と契約先の変更を勧められ、契約後にクーリング・オフを求めた相談が載っています。
検針票は見せない
電気やガスの勧誘では、「検針票を見せてください」と求められることがあります。
消費者庁などの資料によると、検針票には個人情報のほか、切替えに必要な「お客様番号」や「供給地点特定番号」が書かれています。
供給地点特定番号は、電気の供給場所を特定できる22桁の番号です。
同じ資料は、契約の申込みをしていなければ切替えの手続が勝手に進むことは基本的にないとしたうえで、契約の意思がない事業者には見せないことを勧めています。
アパートやマンション全体で契約変更が必要と言われたときは、国民生活センターが、必ず管理人や管理会社に確認するよう案内しています。
次は、契約してしまった後の手段であるクーリング・オフを説明します。
契約後に使える手段とクーリング・オフ
この章では、契約した後に取れる手段と、そのときの期限を確認します。
国民生活センターによると、特定商取引法上の訪問販売に当たる場合は、事業者から適法な契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフができます。
通知はハガキのほか、電子メールなどの電磁的記録でも行えます。
事業者が渡した書面に不備がある場合は、適法な書面とは言えないため、クーリング・オフの期間のカウントは始まっていないことになります。
なお、クーリング・オフの対象になるのは訪問販売などの場合で、自分から申し込んだ契約には当てはまらないことがあります。
当てはまるかどうかは自分で決めず、相談窓口で確かめてください。
相談先は、全国共通の消費者ホットライン「188(いやや!)」番です。
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等につながります。
電気・ガスの契約制度については、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会にも相談窓口があります。
次は、相談がどれくらい寄せられているかを、件数で見ます。
電力・ガスの契約相談は年に何件あるか

この章では、国民生活センターが公表した、電力とガスの小売に関する相談件数を確認します。
数値は、国民生活センターと各地の消費生活センター等に寄せられた相談を集めた PIO-NET のデータで、2021年6月30日までに登録された分です。
| 年度 | 電力の小売に関する相談 | ガスの小売に関する相談 |
|---|---|---|
| 2019年度 | 6,087件 | 876件 |
| 2020年度 | 6,182件 | 635件 |
どちらの年度も、電力の相談件数はガスの相談件数を大きく上回っています。
これは自由化後の相談の一部であり、電気とガスをまとめた契約に限った件数ではありません。
それでも、契約前に内容を確かめる理由を示す数字として参考になります。
次は、料金が動くプランを選ぶときの注意です。
料金が動くプランは請求額に注意する
この章では、まとめる・乗り換えるときに料金の決まり方を見る理由を説明します。
国民生活センターが2021年8月に公表した事例では、電気料金が高くなったことをきっかけに複数社から相見積もりを取り、市場連動型の電力会社に契約変更した自営業の人が、月に3万円程度だった電気料金が突然20万円の請求になったと相談しています。
この人は、価格が変動するとの説明は受けていたが、ここまで高額になることは聞いていないと述べています。
この事例が示しているのは、割引や安さだけで選ぶと、料金の決まり方を見落とすことがある点です。
国民生活センターは、料金のプランや算定方法をよく説明してもらい、確認するよう助言しています。
勧誘してきた会社と新たに契約する会社の社名や連絡先を確認することも、同じ助言に含まれています。
契約を変更してしまっても、クーリング・オフなどができる場合があるとも案内されています。
最後に、よくある疑問に答えます。
よくある質問
電気とガスをまとめると損をしますか
損をするとは言えません。
公的資料が求めているのは、料金設定、違約金の有無、セットプランの有無を確かめたうえで、自分の生活スタイルに合うかどうかで選ぶことです。
検針票を見せてしまいました。勝手に契約は変わりますか
消費者庁などの資料では、検針票を見せても、通常は本人の同意なしに契約には至らないと説明されています。
万が一切り替えられていたときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」番に相談してください。
解約するとき違約金はかかりますか
契約先とプランで決まります。
東京ガスの電気のように、原則として解約金や違約金が発生しないと案内する事業者もあれば、勧誘で結んだ契約で解約手数料がかかると分かった相談事例もあります。
契約書面かマイページで確かめ、分からなければ契約先に問い合わせてください。
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制度や料金は変わります。
2026年11月時点の情報ですので、最新の内容は出典の公式ページで確認してください。
出典
- 国民生活センター「『契約変更しませんか?』突然やってくる電気・ガスの勧誘に注意!」(2024年3月26日公表)(取得日 2026-11-06)
- 国民生活センター「電力・ガスの契約内容をよく確認しましょう」(2021年8月13日公表)(取得日 2026-11-06)
- 経済産業省電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和6年12月版)」(取得日 2026-11-06)
- 東京ガス「ガス・電気の解約(停止)のお手続き」(取得日 2026-11-06)
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