引っ越し見積もり訪問なし|電話・オンラインの流れと注意点
引っ越しの見積もりは、訪問なしでも依頼できます。
公的資料には、見積りの方法として訪問、電話、インターネットがあると書かれています。
ただし国民生活センターは、荷物の内容を的確に把握することが困難な場合が多いとして、電話だけの見積りをあまりお勧めしていません。
ここでは、訪問なしで頼むときに見積書で何を確かめるか、約款でどこまで決まっているかを、公的資料だけでまとめます。
- 見積りの方法には訪問、電話、インターネットがある
- 電話だけの見積りは、荷物の内容を的確に把握することが困難な場合が多い
- 見積料は請求されない。内金や手付金も見積りの際には請求されない
- 解約・延期の手数料は、前々日が20%以内、前日が30%以内、当日が50%以内
見積りの方法と、訪問なしの位置づけ
この章では、見積りの方法にどんな種類があり、公的資料がそれぞれをどう書いているかを確認します。

国民生活センターの「国民生活」誌(2025年1月号)に、全日本トラック協会の担当者が寄せた解説があります。
この解説は、見積りには訪問、電話、インターネットによる見積りがあると整理しています。
同じ連載の前回分(2024年12月号)では、スマートフォンやパソコンを活用したリモート見積りが多くなってきているとも書かれています。
つまり「訪問なし」と言っても、中身は電話だけの見積りと、スマートフォンやパソコンを使ったリモート見積りに分かれます。
| 見積りの方法 | 公的資料での書かれ方 | 出典 |
|---|---|---|
| 訪問見積り | ウェブや電話での見積りより、十分かつ確実な見積りが可能 | 国民生活センター(2025年1月号) |
| リモート見積り | スマートフォンやパソコンを活用したもので、多くなってきている | 国民生活センター(2024年12月号) |
| 電話だけの見積り | 荷物の内容を的確に把握することが困難な場合が多く、あまりお勧めはできない | 国民生活センター(2024年12月号) |
表のとおり、公的資料が最も確実としているのは訪問見積りです。
次の章では、訪問なしの見積りでどんな行き違いが相談されているかを見ます。
訪問なしの見積りで起きている行き違い
この章では、国民生活センターが公表した相談事例から、見積りに関するものを取り上げます。
国民生活センターは2026年2月4日に「引越トラブルにご注意」を公表しました。
相談事例のなかに、次のものがあります。
- オンライン上で見積りを取り契約したが、荷物がトラックに乗りきれず積み残された
- 見積り時、エアコンの脱着作業に関する当日費用や高所作業に伴う追加費用の説明がなく、引越当日になって請求された
問題点として、国民生活センターは次の点を挙げています。
オンライン等の見積りの場合、消費者自身が荷物量等の引越に必要な情報を全て把握して引越事業者に伝えることが難しい場合がある、という指摘です。
訪問見積りでは担当者が部屋を見ますが、訪問なしでは、依頼する側が荷物の量と作業の条件を言葉や画像で伝えることになります。
全日本トラック協会の解説は、荷物の量や部屋の数だけでは料金が決まらないと説明しています。
料金に影響する項目として、新居の階層・間取り、玄関・廊下・階段の寸法、エレベーターの有無、道路から家屋までの進入路が挙げられています。
荷造りを消費者がすべて行うか、引越事業者がすべて行うかでも、作業員の人数や梱包資材が大きく変わるとされています。
訪問なしで頼むなら、これらを自分から伝える必要があります。
次の章では、見積りの方法にかかわらず、約款で決まっていることを確認します。
方法が違っても約款で変わらないこと
この章では、国土交通省が定める標準引越運送約款の第三条(見積り)から、訪問の有無に関係なく読める決まりを整理します。
約款は、見積りを行ったときは見積書を申込者に発行すると定めています。
見積書の記載事項には、荷物の受取日時及び引渡日、運賃等の合計額・内訳及び支払方法、解約手数料の額、荷送人及び荷受人並びに当店が行う作業内容などがあります。
| 項目 | 約款(第三条)の内容 |
|---|---|
| 見積書の発行 | 見積りを行ったときは、見積書を申込者に発行する |
| 見積料 | 請求しない。ただし、発送地又は到達地で下見を行った場合に限り、下見に要した費用を請求することがある |
| 下見の費用 | 請求する場合は、見積りを行う前に金額を通知し、了解を得る |
| 内金・手付金 | 見積りの際に請求しない(下見の費用を除く) |
| 約款の提示 | 見積り時に、申込者に約款を提示する |
| 記載内容の確認 | 荷物の受取日の三日前までに、見積書の記載内容の変更の有無等を確認する |
見積料は請求されません。
例外は、発送地または到達地で下見を行った場合の費用で、請求するときは見積りを行う前に金額が通知され、了解を得ることになっています。
見積りの際に内金や手付金を求められた場合は、約款の定めと食い違います。
見積書には解約手数料の額も記載されるため、受け取ったら金額を確認できます。
国民生活センターの解説によると、引越事業者は荷物の受取日の3日前までに、消費者へ見積書の記載内容の変更の有無を確認することになっています。
この確認が、見積り後に変わった点を伝える機会になります。
次の章では、見積書に書かれる解約・延期の手数料を見ます。
解約・延期の手数料はいつからいくらか
この章では、見積りを取ったあとに契約を取りやめる場合の手数料の上限を確認します。

全日本トラック協会の解説(国民生活センター「国民生活」2025年1月号)によると、手数料が発生するのは、解約または延期の連絡を見積書に記載された引越開始日の前々日、前日、当日にしたときに限られます。
| 連絡した日 | 手数料の上限(見積書に記載した見積運賃等の) |
|---|---|
| 引越開始日の前々日 | 20%以内 |
| 引越開始日の前日 | 30%以内 |
| 引越開始日の当日 | 50%以内 |
図と表の割合は、いずれも「以内」という上限です。
これとは別に、引越事業者がすでに実施または着手した附帯サービスの費用で、見積書に明記したものは請求されます。
また、解約手数料の発生には、見積書に記載された引越開始日の3日前までに、記載内容の変更の有無を事業者が確認していることが前提になっています。
手数料の額は見積書にも記載されるため、受け取ったら金額と条件を確かめます。
次の章では、訪問なしで頼むときの確認の順番を、公的資料の注意点から組み立てます。
訪問なしで頼むときの確認の順番
この章では、国民生活センターの注意点を、訪問なしの見積りに当てはめた確認の順番にします。
国民生活センターは、引越の見積りは依頼内容や自分に合った方法で依頼しましょうとアドバイスしています。
訪問なしを選ぶなら、見積書の段階で次の順に確かめます。
作業の分担を見積書で確かめる
約款は、見積書に荷送人及び荷受人並びに当店が行う作業内容を記載すると定めています。
全日本トラック協会の解説では、家具の梱包、食器等の荷造り、ダンボールへの箱詰め、洗濯機の取外し・取付けなどについて、消費者と事業者のどちらが行うかを確認し、作業確認書に記載して見積書とともに保管することが大切だとされています。
追加費用が出る作業を先に聞く
相談事例には、エアコンの脱着作業や高所作業に伴う追加費用が、引越当日になって請求されたものがありました。
エアコンの取外し・取付けは、全日本トラック協会の解説で附帯サービス料の例に挙がっている作業です。
該当する作業がある場合は、見積書に金額が書かれているかを確かめます。
段ボールの扱いを契約前に聞く
国民生活センターは、見積りの時点で段ボールを置いていき、返送費を負担させるケースがみられるとしています。
アドバイスとして、契約締結前に段ボール等の資材の提供を受ける際は、その取扱いを確認するよう呼びかけています。
約款と見積書を読み、疑問は書面に残す
約款は見積り時に提示されます。
全日本トラック協会の解説は、見積書に疑問があれば見積り担当者に質問し、確認した内容は見積書に記載してもらうよう勧めています。
訪問がない分、やり取りが口頭だけで終わらないよう、書面に残すことが重要になります。
最後に、困ったときの相談先をまとめます。
困ったときの相談先
この章では、見積りや契約で不安が出たときの窓口を確認します。
国民生活センターは、不安に思った場合やトラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談するよう呼びかけています。
窓口は、消費者ホットライン「188(いやや!)」番です。
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する、全国共通の3桁の電話番号とされています。
よくある質問
電話だけで見積もりを取っても大丈夫ですか。
依頼はできますが、国民生活センターの連載では、荷物の内容を的確に把握することが困難な場合が多く、あまりお勧めはできないとされています。
電話で頼む場合も、見積書を受け取って内容を確かめます。
見積もりだけ取って契約しなくても、お金はかかりますか。
約款は見積料を請求しないと定めています。
例外は、発送地または到達地で下見を行った場合の費用で、見積りの前に金額の通知と了解が必要です。
見積りの段階で手付金や内金を払う必要はありますか。
約款は、見積りの際に内金、手付金等を請求しないと定めています。
見積り後に荷物が増えたらどうすればよいですか。
引越事業者は、荷物の受取日の3日前までに見積書の記載内容の変更の有無を確認することになっています。
この確認のときに、変更を伝えます。
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2026年11月時点の情報です。
最新は出典の公式ページで確認してください。
出典
- 国土交通省「標準引越運送約款」(取得日 2026-11-05)
- 国民生活センター「引越サービスを安全・安心に利用するために 第3回 引越の前において 見積り②」(国民生活 2025年1月号)(取得日 2026-11-05)
- 国民生活センター「引越サービスを安全・安心に利用するために 第2回 引越の前において 見積り①」(国民生活 2024年12月号)(取得日 2026-11-05)
- 国民生活センター「引越トラブルにご注意」(2026年2月4日公表)(取得日 2026-11-05)
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