再エネ賦課金とは|2026年度の単価4.18円と仕組み

再エネ賦課金単価の年度別推移(経済産業省)。2024年度3.49円、2025年度3.98円、2026年度4.18円(1kWh当たり)
yamadayusuke

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取費用の一部を、電気を使うすべての人が電気料金とあわせて負担する仕組みです。

2026年度の単価は全国一律で1kWh当たり4.18円で、2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金に適用されます。

ここでは、経済産業省と資源エネルギー庁の公的資料で、仕組み、2024年度から2026年度までの単価、単価の決まり方、請求書での確かめ方をまとめます。

  • 再エネ賦課金は、固定価格買取制度で電力会社が再エネの電気を買い取る費用を、電気の使用者から集める仕組み。電気を使うすべての方が対象で、負担額は使用量に比例する(資源エネルギー庁、出典4)
  • 2026年度の単価は1kWh当たり4.18円。2025年度は3.98円、2024年度は3.49円(経済産業省、出典1〜3)
  • 1か月の電力使用量が400kWhの需要家モデルでは、2026年度は月額1,672円、年額20,064円(経済産業省、出典1)
  • 単価は毎年度、経済産業大臣が設定する。推測値と実績値の差分は、翌々年度の単価で調整する(出典4)
  • 資源エネルギー庁は、現在の状況が継続すれば2032年頃までは現在の水準前後で推移し、2032年以降は減少に転じる蓋然性が高いと見込んでいる(出典6)

再エネ賦課金とは、再エネの買取費用を電気の使用者が負担する仕組み

再エネ賦課金のお金の流れ(簡略図)。電気を使う人が電気料金の一部として負担した賦課金は、電力会社と電力広域的運営推進機関による費用負担調整を経て、再エネの買取費用にあてられる。買い取る電気事業者から発電事業者への支払いは省いている
再エネ賦課金のお金の流れ(簡略図)。電気を使う人が電気料金の一部として負担した賦課金は、電力会社と電力広域的運営推進機関による費用負担調整を経て、再エネの買取費用にあてられる。買い取る電気事業者から発電事業者への支払いは省いている

ここでは、再エネ賦課金が何のためのお金で、誰がどのように負担するのかを確認します。

再エネ賦課金は、正式には再生可能エネルギー発電促進賦課金といい、固定価格買取制度(FIT制度)を支える費用です。

資源エネルギー庁は、この制度を、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ると国が約束する制度と説明しています。

買取にかかる費用の一部は、電気をご利用の皆様から賦課金という形で集められます(出典4)。

対象になる再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5つのいずれかです(出典4)。

資源エネルギー庁の2025年版パンフレットによると、2012年の固定価格買取制度の導入以降、再エネの設備容量は急速に伸び、制度開始前から約5倍になりました(出典8)。

資源エネルギー庁の「制度の概要」ページは、再エネ賦課金の特徴を次のように整理しています(出典4)。

  • 電気を使うすべての方にご負担いただくものです
  • 電気料金の一部となっています
  • ご負担額は電気の使用量に比例します
  • 単価は、全国一律の単価になるよう調整を行います

集められた賦課金は、電気事業者が買取制度で電気を買い取るための費用に回され、最終的には再生可能エネルギーで電気をつくっている方に届きます(出典4)。

電気の小売事業を行う事業者には、法律の定めにより納付金の納付義務があり、納付金に係る費用負担調整業務は、電力広域的運営推進機関が2022年4月1日から実施しています(出典10)。

上の図は、賦課金が買取費用にあてられるまでの大まかな方向を示した簡略図です。

電力会社が再エネの電気を買い取る場面や、機関が行う費用負担調整業務の細かな中身は省いているため、図の矢印を実際のお金の動きそのものとは読まないでください。

仕組みがわかったところで、次は、2026年度の単価と、いつの電気料金から適用されるのかを確認します。

2026年度の再エネ賦課金単価は1kWh当たり4.18円

ここでは、経済産業省が設定した2026年度の賦課金単価と、適用される期間を確認します。

単価は毎年度、当該年度の開始前に、再エネ特措法で定められた算定方法に則り、経済産業大臣が設定しています(出典1)。

2026年度の賦課金単価は、再エネの導入状況や卸電力市場価格等を踏まえ、1kWh当たり4.18円となりました。

2026年度の単価は、2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金まで適用されます(出典1)。

経済産業省は、目安として1ヶ月の電力使用量が400kWhの需要家モデルの負担額を示しています。

このモデルは、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1ヶ月の電力使用量です。

2026年度は、月額1,672円、年額20,064円となります(出典1)。

項目(2026年度)内容
賦課金単価1kWh当たり4.18円
適用期間2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金まで
400kWhの需要家モデルの負担額(月額)1,672円
400kWhの需要家モデルの負担額(年額)20,064円

400kWhは、経済産業省が負担額を示すために置いたモデルの使用量です。

実際の負担額は、世帯ごとの使用量で変わります。

単価は年度ごとに変わるため、次の節で2024年度からの推移を並べます。

再エネ賦課金単価の推移は2024年度3.49円から2026年度4.18円

再エネ賦課金単価の年度別推移(経済産業省)。2024年度3.49円、2025年度3.98円、2026年度4.18円(1kWh当たり)
再エネ賦課金単価の年度別推移(経済産業省)。2024年度3.49円、2025年度3.98円、2026年度4.18円(1kWh当たり)

ここでは、経済産業省が毎年度公表している賦課金単価を、2024年度から2026年度まで並べて確認します。

各年度の単価は、再エネの導入状況や卸電力市場価格等を踏まえて設定されたものです。

年度賦課金単価(1kWh当たり)400kWhモデルの月額400kWhモデルの年額適用期間
2024年度3.49円1,396円16,752円2024年5月検針分から2025年4月検針分まで
2025年度3.98円1,592円19,104円2025年5月検針分から2026年4月検針分まで
2026年度4.18円1,672円20,064円2026年5月検針分から2027年4月検針分まで

表の負担額は、各年度の経済産業省の発表に書かれている値です(出典1〜3)。

この3年度では、単価は2024年度の3.49円から2025年度の3.98円、2026年度の4.18円へと続けて上がっています。

検針票や請求書に書かれた単価を見るときは、どの年度の単価かをそろえて比べます。

賦課金の単価は5月検針分の電気料金から切り替わるため、4月検針分までと5月検針分以降では、適用される単価が違います。

2023年度以前の単価は、この記事では確認していないため載せていません。

では、この単価はどんな項目から決まるのでしょうか。

次の節で、経済産業省が示す算定の根拠を見ます。

再エネ賦課金の単価は買取費用等と回避可能費用等と販売電力量で決まる

ここでは、単価の根拠として経済産業省が示している項目と、年度ごとの想定額を確認します。

単価は、買取価格等を踏まえて年間でどのくらい再生可能エネルギーが導入されるかを推測し、毎年度、経済産業大臣が決めます。

推測値と実績値の差分は、翌々年度の単価で調整されます(出典4)。

また、単価を算定するときは、買取に要した費用から、電気事業者が再生可能エネルギーの電気を買い取ることにより節約できた燃料費等を差し引いています(出典4)。

資源エネルギー庁のよくある質問では、賦課金の総額は、再エネ電気の買取費用から、卸電力市場に売電した場合に得られる売電収入を減じて計算されると説明されています(出典6)。

算定の項目2024年度における想定2025年度における想定2026年度における想定
買取費用等4兆8,172億円4兆8,540億円4兆8,507億円
回避可能費用等2兆1,322億円1兆7,906億円1兆6,495億円
販売電力量7,707億kWh7,708億kWh7,665億kWh

表は、経済産業省が各年度の発表で示した算定根拠の内訳です(出典1〜3)。

2026年度の買取費用等の主な要因として、経済産業省は、2026年度から新たに運転開始する再エネ発電設備と、再エネ予測誤差のための調整力確保費用を挙げています(出典1)。

回避可能費用等は、過去の市場価格の実績を踏まえて、市場価格に連動する回避可能費用単価を計算した値です(出典1)。

運営者は、買取費用等の想定が3年度でほぼ同じ水準にある一方で、回避可能費用等の想定が2024年度から2026年度にかけて小さくなっている点が、単価の動きを読むうえで目を引くと考えています。

ただし、公式資料が示しているのは項目ごとの想定額と主な要因までで、単価の上昇を個別の要因に分けた説明は載っていません。

単価の根拠がわかったところで、次は、この単価が毎月の電気料金のどこに入るのかを見ていきます。

再エネ賦課金は電気料金のどこに載るか、請求書での確かめ方

ここでは、賦課金が毎月の電気料金のどの部分にあたるか、請求書や検針票で何を確認するかを整理します。

資源エネルギー庁は、月々の電気料金を、契約容量で決まる基本料金と、使用電力量に応じて計算する電力量料金に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えた合計と説明しています(出典5)。

料金の部分計算の考え方(資源エネルギー庁の説明)
基本料金契約容量で決まる
電力量料金(電力量料金単価×1か月の使用電力量)±(燃料費調整単価×1か月の使用電力量)
再エネ賦課金再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×1か月の使用電力量

賦課金は、単価に1か月の使用電力量(kWh)を掛けた額です。

単価は全国一律に調整されるため(出典4)、同じ年度であれば、電力会社が違っても賦課金の単価は同じになります。

この点は、資源エネルギー庁の説明を踏まえた運営者の読み方です。

1. 賦課金の単価がどの年度のものかを確かめる

請求書の賦課金の欄に書かれた単価が、前の節の表のどの年度と一致するかを見ます。

2026年5月検針分から2027年4月検針分までは4.18円です。

2. 使用電力量(kWh)を確かめる

賦課金の額は使用電力量に比例します(出典4)。

検針票に書かれた1か月の使用電力量が、賦課金の計算のもとになります。

経済産業省の400kWhは、あくまでモデルの使用量です。

3. 燃料費調整額とは別の項目として見る

電気料金には、賦課金のほかに燃料費調整額があります。

燃料費調整制度は、電気をつくるために必要な燃料の価格の変動に応じて電気料金を調整する仕組みです(出典5)。

賦課金は買取費用を集めるためのもので、仕組みも目的も別です。

請求額が変わったときは、どちらの項目が動いたのかを分けて見ます。

賦課金が電気料金の中でどの程度の割合を占めるのかは、次の節で公的資料の数字を確認します。

旧一般電気事業者の電気料金に占める賦課金の割合は家庭用11%(2024年度実績)

ここでは、賦課金が電気料金全体や国全体でどの程度の大きさなのかを、資源エネルギー庁の資料で確認します。

資料は、旧一般電気事業者の電気料金平均単価と賦課金の推移を示したもので、電気料金に占める賦課金の割合は、2024年度実績で次のとおりです(出典7)。

区分(2024年度実績)電気料金に占める賦課金の割合
産業用・業務用14%
家庭用11%

同じ資料は、2025年度(予測)の買取総額が4.9兆円、賦課金(国民負担)が3.1兆円で、賦課金単価は3.98円/kWhとしています(出典7)。

この割合は、旧一般電気事業者の電気料金平均単価をもとにした値で、新電力など他の事業者の契約や、日本の家庭全体の割合を示したものではありません。

自分の契約での割合は、契約するプランや燃料費調整額によって変わるため、この割合と同じになるとは限りません。

次の節では、事業所向けの減免制度と、今後の見通しを確認します。

事業所向けの減免制度と、今後の単価の見通し

ここでは、家庭には関わりの薄い減免制度と、資源エネルギー庁が示している今後の見通しを確認します。

再エネ賦課金には、減免の制度があります。

資源エネルギー庁の概要資料によると、電力多消費事業者の国際競争力の維持・強化の観点から、一定の基準を満たす事業所については、経済産業大臣の認定を受けることにより、例外的に減免を受けることができます(出典9)。

認定基準の一つは、申請事業所における申請事業の電気使用量が年間100万kWhを超えることです(出典9)。

この資料は事業者向けの手続きの説明で、家庭が申請する制度は載っていません。

今後の見通しについて、資源エネルギー庁のよくある質問は、現在の状況が継続すれば、2032年頃までは賦課金は現在の水準前後で推移し、2032年以降は減少に転じる蓋然性が高いと見込んでいると説明しています(出典6)。

一方で、売電収入は電力の市場価格により変動するため、将来の単価の水準の見通しを正確に示すことはできないとも書かれています(出典6)。

運営者は、見通しは「現在の状況が継続すれば」という条件つきのものであり、毎年の単価は年度ごとの発表で確かめるのが確実だと考えています。

ここまでの内容で疑問が残りやすい点を、よくある質問で補足します。

よくある質問

再エネ賦課金は払わなくてもよいのですか

資源エネルギー庁は、再エネ賦課金を、電気を使うすべての方にご負担いただくものと説明しています(出典4)。

減免の制度は、一定の基準を満たす事業所に認められた例外で、家庭の契約向けの手続きは示されていません(出典9)。

次の年度の単価はいつ決まりますか

賦課金単価は、毎年度、当該年度の開始前に経済産業大臣が設定します(出典1)。

買取価格等も年度開始前までに、例年3月末に告示されると、資源エネルギー庁のよくある質問に書かれています(出典6)。

この記事では、2026年度までの単価を扱っています。

400kWhは標準的な家庭の使用量ですか

経済産業省が負担額を示すときに使うモデルで、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1ヶ月の電力使用量とされています(出典1)。

実際の使用量は世帯ごとに違うため、自分の負担額は請求書のkWhに単価を掛けて確かめます。

再エネ賦課金と燃料費調整は同じものですか

別の項目です。

燃料費調整は、燃料(原油・LNG・石炭)の価格の変動に応じて電気料金を調整する仕組みで、賦課金は再エネの買取費用を集める仕組みです(出典4、出典5)。

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出典

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